はじめに 世界が注目する小型モジュール炉(SMR)革命の到来
気候変動、エネルギー安全保障、そしてAI時代の爆発的な電力需要。
この三つのトレンドが重なった今、世界のエネルギー構造は100年に一度の大転換期を迎えています。
風力や太陽光では電力の安定供給が難しい中、「脱炭素を実現する現実的な電源」として急浮上しているのがSMR(小型モジュール炉:Small Modular Reactor)です。
SMRは、従来型原子炉に比べて建設コストが大幅に低く、安全性も高いことが最大の特徴。
アメリカ、カナダ、イギリス、そして日本や韓国までもが次世代原子力として本格的な開発支援を開始しています。
その中で最も先行している企業が、ニュースケール・パワー(NuScale Power, ティッカー:SMR)。
世界初の米国原子力規制委員会(NRC)承認を得たSMR炉設計企業であり、まさに「SMR革命の旗手」として注目を集めています。
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ニュースケール・パワーとはどんな企業か
NuScale Powerは2007年に設立された米国オレゴン州ポートランドの原子力テクノロジー企業。
創業以来、モジュール化された小型原子炉「VOYGR™」の開発を進めてきました。
同社の核となる強みは次の3つ。
- 世界初の商用SMR設計認可を取得
2023年、米原子力規制委員会(NRC)がNuScaleのSMR設計を正式承認。
これにより同社は「世界初の認可済み商用SMR設計企業」としてグローバル市場で優位に立つことになりました。 - 既存インフラとの親和性が高い
VOYGR™はモジュールごとに出力77MW、最大12基連結で924MWまで拡張可能。
これは中規模火力発電所に匹敵しながら、建設コストは低く、既存の電力網に容易に接続できます。 - 政府・公共セクターとの強い関係
米エネルギー省(DOE)から多額の支援を受け、ユタ州でのプロジェクト「UAMPS(Utah Associated Municipal Power Systems)」を推進中。
国策レベルの後押しがある点は他の新興原子力企業とは一線を画します。
VOYGR™が変える原子力の常識
従来の原子力発電所は「大規模・高コスト・長納期」が当たり前でした。
一方、NuScaleのVOYGR™は“レゴブロックのように組み立てる原子炉”。
- 工場であらかじめ製造 → 輸送 → 現地で組み立て
- 水冷システムにより自然循環で冷却(電源喪失時も安全)
- 必要な電力量に応じてモジュールを追加可能
つまり、電力需要に応じて柔軟に拡張できる「分散型原子炉」です。
この設計思想は、かつての巨大原子力とは真逆。
まさに**“原子力のテスラ”**と呼ばれるにふさわしい技術革新です。
米国政府が後押しするSMRプロジェクトの全貌
バイデン政権は2024年以降、再エネだけでなく「クリーン原子力」への支援を強化しています。
特に注目されるのが、DOEがNuScaleに提供している約13億ドル規模の助成プログラム。
DOEはすでに以下のプロジェクトを支援中:
- UAMPSとの共同プロジェクト(ユタ州Idaho National Laboratory内)
- SMR技術の国際展開支援(ルーマニア、ポーランド、カザフスタンなど)
- 米軍基地向けマイクログリッド型原子炉実証
これらは単なる「技術実験」ではなく、商業運転を前提とした国家規模のプロジェクトです。
特にルーマニア政府は欧州初のNuScale型SMR建設を計画しており、欧州委員会の承認も視野に入っています。

現状の業績・財務・資金繰り分析
2024年通期決算では、売上は依然として小規模(約1億ドル未満)ですが、開発投資比率の高さが際立ちます。
同社は現在「商用化前夜」にあり、黒字化は2026〜2027年が見込まれています。
- 現金残高:約1.7億ドル
- 年間営業費用:約2.3億ドル
- 債務水準:限定的(DOE支援・株式増資中心)
つまり、まだ“研究開発フェーズ”のベンチャー企業。
短期の利益ではなく、「長期のエネルギー革命」を見据えた投資対象です。
OKLOとの違い ― テンバガー候補同士の比較
SMR銘柄としてしばしば比較されるのがOKLO(NASDAQ: OKLO)。
両社とも次世代原子炉企業ですが、技術とビジネスモデルは大きく異なります。
項目 | NuScale Power (SMR) | OKLO Inc. (OKLO) |
---|---|---|
技術方式 | 水冷型SMR(加圧軽水炉) | 金属冷却高速炉(先進型マイクロ原子炉) |
出力規模 | 77MW〜924MW | 15MW前後 |
対象市場 | 公共電力・産業電力向け | 産業施設・データセンター・軍用など |
商用化段階 | 認可取得済・建設準備中 | 初期設計段階・認可待ち |
資金調達 | DOE支援・NASDAQ上場 | ベゾス系VC支援・上場初期 |
投資家の焦点 | 大型電源・政府連携 | 分散型電源・イノベーション性 |
NuScaleは「スケーラブルな公共インフラ型」、
OKLOは「ミニマルで民間直結型」。
つまり、NuScaleは国家レベルの安定電源、
OKLOは分散型イノベーション。
どちらもテンバガー候補だが、商用化スピードではNuScaleが一歩リードしています。
参考記事👉
OKLO徹底分析 ― スタートアップ原子力の旗手として投資家が注目すべき理由(Open AIも出資)
世界の原子力政策とNuScaleの市場機会
IEA(国際エネルギー機関)は2035年までに世界の原子力発電容量を2倍以上に増加させる見通しを発表。
米国、英国、カナダ、フランス、ポーランド、インドなどが相次いでSMR導入を国家戦略に組み込みました。
NuScaleがターゲットとする市場は以下の通り👇
- 退役予定の石炭火力発電所(代替需要)
- データセンター向け安定電力
- グリーン水素製造(SMR×H₂)
- 海外新興国での電力インフラ整備
これらの市場を合計すると、2035年までに1,000億ドル超の市場機会があると推定されます。
投資家が注目すべき今後3年間のカタリスト
- UAMPS実証炉の建設開始(2026年予定)
- ルーマニア・欧州向けSMR建設契約の締結
- DOE・NRCによる追加補助プログラム承認
- 戦略的パートナー(韓国・日本企業)との協業拡大
- 黒字化フェーズへの移行シナリオ(2027〜2028)
これらのイベントが一つでも実現すれば、
株価は現在水準($40台)から5倍〜10倍の上昇も射程圏です。
株価シナリオ分析
シナリオ | 想定条件 | 株価目標 |
---|---|---|
悲観ケース | 商用化遅延・資金難 | $30(下値リスク) |
中立ケース | DOE支援継続・建設進展 | $60〜100(+150〜250%) |
強気ケース | 商用炉完成・海外受注獲得 | $400超(テンバガー達成) |
2025年現在、NuScaleは“ストーリー株”の典型。
しかし、認可済み設計+政府支援+国際展開という3点セットを持つ企業は他にありません。
これが、他の原子力スタートアップとの「決定的な違い」です。
結論:ニュースケール・パワーは「原子力のテスラ」になれるか
NuScaleはまだ小さな企業ですが、その技術と政策的後押しは巨大です。
電力危機と脱炭素の狭間で、SMRは“唯一の現実解”として世界が注目しています。
長期で見れば、SMR市場の主役はNuScaleとOKLOの2強。
その中でNuScaleは「最初に動き出した先行者」であり、
2027〜2030年の商用化フェーズに入れば、まさに“テンバガーへの扉”が開かれます。
まとめ
- NuScaleは世界初の承認済みSMR企業
- 政府支援・国際展開で商用化目前
- OKLOとは異なる「公共インフラ型」SMRモデル
- 2027年以降に黒字化と株価急騰の可能性
- 脱炭素×電力需要増=長期テーマとして最注目
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