日本の水産加工会社に投資すべき理由 ― 成長性と投資機会を探る(厳選3社)

日米株
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はじめに

少子高齢化・人口減少が進む日本において、「内需株」の中でも特に「食」に関わるビジネスは安定感があり、消費者の嗜好や安全・品質への要求が高いため、差別化しやすい分野です。その中でも「水産加工会社」は、原料調達~加工技術~ブランド力~輸出力など多様な強みを持っており、成長ポテンシャルが見込めます。最近、私自身オカムラ食品工業の株取引で大きな利益を得たことから、この分野を深掘りし、水産加工銘柄の中で割安/高配当/高ROEが期待できる銘柄をいくつか紹介します。

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日本の水産加工会社のポテンシャル・成長性

国内市場の安定性と変化

  • 日本人の食生活における魚・加工水産品の地位は昔から高く、寿司・刺身・練り製品(かまぼこ・ちくわ等)といった伝統的商品が一定需給を保っています。内食(家庭内消費)や中食(弁当・惣菜)、外食、冷凍食品の伸びなど、さまざまなチャネルで需要があります。
  • 健康志向の高まり。たんぱく質、DHA/EPA、低脂肪、減塩などの観点から魚・海産物に注目が集まっています。これは水産加工会社にとって製品開発の追い風。

輸出拡大の機会

  • 国内市場の人口減少が構造的に進む中、海外展開は不可欠。日本産の水産加工品(鮨ネタ、練り製品、冷凍魚など)は品質・安全性・ブランド価値で世界から評価が高く、アジアを中心に需要が伸びています。
  • 政府や関係機関(農林水産省、JETROなど)による支援制度も増えており、輸出規制・衛生基準の調整・物流改善などが進展しています。

技術革新・省力化・生産性向上

  • 原料価格変動、漁獲量の不安定さ、労働力不足などの構造的な課題があります。その対応として、冷凍・加工技術の高度化、IoT/自動化/AIによる選別・包装ラインの効率化、省人化が求められています。国の調査報告でも、水産加工業の生産性向上が重要テーマとして挙げられています。
  • 養殖業の強化も重要。天然魚だけでは供給が不安定なため、養殖で安定的に原料を確保する動きが活発化中。

ESG・サステナビリティの観点

  • 海洋資源保護、漁業の持続可能性、養殖魚の飼料・環境への配慮などがグローバルな評価要素になっており、これに取り組める企業は国際競争で有利。輸出先での認証(MSC認証など)、トレーサビリティ等も重視される。
  • また、消費者側の「安全・安心」を求める傾向が強く、食品事故や品質クレームがあるとブランド毀損リスクが大きいため、企業は品質管理体制に投資をする必要があります。

業界の構造的リスクとその克服可能性

  • リスクとしては、原料魚の不漁や漁獲コストの上昇、為替変動、エネルギー・燃料・物流コストの上昇、人手不足などがあります。
  • しかしながら、それらを軽減する方策として、養殖の比率を上げること、海外調達・グローバル生産拠点を持つこと、効率改善(省力化・自動化)、在庫・資金運用の最適化などが実際に動いています。水産・加工業界の調査レポートでも、生産性向上が最重要テーマとされています。

オカムラ食品工業の成功事例

私が注目して売買した オカムラ食品工業(証券コード2938) は、ここ数年で売上・利益共に成長を遂げており、株主としても見逃せない動きをしています。以下、ポイントを整理します。

項目内容
業績推移2025年6月期には、売上高353.45億円(前年比+8.2%)、営業利益30.21億円(前年比+18.6%)と、増収増益を達成。純利益もわずかながら増加。
配当・株主還元今期配当は1株あたり8円。株式分割を考慮した実質増配率で26.4%の増配を含む。
強みの要因養殖事業と海外卸売事業が好調。売上の伸び・営業利益率の改善が原動力。さらに、過去最高の売上高を更新中。 夜販売、鮮度/加工技術や物流効率の改善も背景。
評価指標株探のデータによれば、PERが23.3倍、PBRが3.74倍、配当利回りは0.66%(ただし増配/見通しを加味すると将来的な利回り改善の可能性あり)。

このように、オカムラ食品工業は「成長性」「海外展開」「収益性改善」「株主還元の改善」が揃っており、投資対象として魅力的でした。その成功事例から、ほかの銘柄を探す際にも似たような指標やテーマを重視することが有効だと思います。


なぜ日本の食文化・品質・安全が世界に受けるのか

日本の水産加工会社が海外で強く支持される背景には、いくつかの明確な理由があります。

高い品質管理・衛生基準

  • 日本国内の法制度(食品衛生法、HACCP制度など)は厳格であり、多くの加工業者・養殖業者がその基準を満たすために投資を続けてきました。
  • 衛生管理・鮮度維持・トレーサビリティなどの要件がクリアされていることが、海外の輸入規制をクリアする上でも重要。

食文化におけるブランド価値

  • 寿司・刺身・和食文化の国際的普及により、「魚の切り方」「刺身ネタ」「だし文化」「練り製品(蒲鉾等)」といった日本独自の加工品が、海外の高価格市場でプレミアムとして受け入れられる。
  • 日本食ブーム・健康志向との相性も良く、“安心で安全な魚”“きちんとした産地表示”などは外国人消費者にもアピールする。

規格・技術・イノベーション

  • 冷凍技術・瞬間凍結・凍結保蔵輸送・加工効率・衛生装置などの技術が進化しており、品質劣化を抑えることが可能。
  • また養殖技術も向上しており、魚種によっては完全養殖等が進んでいるものもある。これにより供給の安定性も改善される。

安全性・トレーサビリティ

  • 食品安全事故が発生すると国内外で影響が大きいため、多くの企業が製品検査・産地表示・原材料調達の透明性を強化。
  • 消費者の“知る権利”・“クリーンラベル”志向などの流れも後押ししており、ブランド忠誠度を高める要因となる。

これら要因により、「日本の水産加工会社」は単なる加工業者ではなく、ブランド・品質・安全性を武器に差別化できる立場にあると言えます。


割安・高配当・高ROEで狙いたい水産加工銘柄:厳選3銘柄

以下、私が数ある水産/水産加工銘柄から選んだ、「PER・PBRから見て割安/配当利回りが高め/ROEも一定水準以上を保っている」銘柄を3つ紹介します。もちろん将来リスクもありますが、注目すべきポイントを整理します。

銘柄主な強みPER・PBR・配当利回り・ROEなどの指標リスクと注目点
マルハニチロ(1333)国内最大級の水産資源・加工食品メーカー。流通販路・海外事業も持っており、スケールメリットがある。中期経営計画での構造改善も進む。・PER(次期予想):約 10.2倍
・PBR(実績):約 0.8倍
・配当利回り(予想):約 3.1%・ROE:10.7%前後
漁獲コストや魚価の変動、飼料・物流コストの上昇、為替変動などが大きく影響する。株価のボラティリティに注意。とはいえ、現在バリュエーションが控えめなので、リスクとリターンのバランスは良好。
日本水産/ニッスイ(1332)国内・海外両輪で水産・加工品・冷凍食品・物流など幅広い事業。将来の成長戦略「Good Foods 2030」を掲げており、営業利益500億円レベル、売上1兆円を目標に。・PER(予想):約 13倍前後
・PBR:1.1~1.2 倍台 ・配当利回り:2.6~3.0%前後(予想)
・ROE:約 9.6%
大手ゆえに事業範囲が広く、変動要因も多い。冷凍食品・海外市場の為替リスク、原料魚の漁獲量減少、輸送コスト、サステナビリティ対応負荷など。成長戦略がきちんと収益に結びつくかがポイント。
極洋(1301)主に漁業・水産資源調達から加工・販売まで手がけており、魚種ポートフォリオも広い。業界の中で海外展開や製品の付加価値化の余地があり、コスト構造を改善すれば収益改善のポテンシャルあり。・PBR:0.9倍前後
・PER:マルハニチロと比べやや高めのレンジだが、収益改善期待が織り込まれれば割安感あり。
・配当利回り:2~3%台が見込める可能性。 ・ROE:過去実績で水準は一定。
魚価・漁獲コスト・燃料・飼料コストの変動が大きい。天然魚依存度が高いため原料調達リスクあり。また輸出では海外の衛生・規制基準の対応がコストになる。ブランド力・付加価値化が鍵。

まとめ(投資家としての示唆)

水産加工業界には確かな成長ポテンシャルがありますが、それを捉えるためには以下のポイントに注目すべきです。

  1. 原料調達・養殖比率:天然魚だけに頼ると不安定なので、養殖を含めた原料ポートフォリオを持つ企業が強い。
  2. 効率化・技術革新:自動化、省力化、品質・衛生管理の技術を持っているかどうか。物流・冷凍技術なども含めて。
  3. 輸出・海外展開力:国内需要減少を補うため海外市場の攻略が不可欠。関税・輸出規制・品質基準に対応できる体制があるか。
  4. バリュエーション指標:PER・PBRが高すぎると成長期待がこめられている反面、リスクも高くなる。逆に割安感・安定収益・配当利回りがある企業は中長期投資の候補になる。
  5. サステナビリティとブランド力:消費者・規制・海外バイヤーの要求が厳しくなっており、これら対応できる企業=価値の毀損が起きにくい。

結論

私自身オカムラ食品工業で成果を出せた背景は、「成長ストーリー」と「バリュエーションの改善可能性」を十分に見込めたことにあります。水産加工会社は、内需の安定性だけでなく、輸出・健康志向・食文化のブランド力といった強い追い風がある分野です。

マルハニチロ・ニッスイ・極洋の3銘柄は、現在の指標から見て割安・高配当・ROEが一定水準あるものとして特に注目できます。もちろん短期の株価変動、魚価や燃料コスト、為替変動、気候変動などのリスクは存在しますが、中長期で「日本の水産加工会社」に分散投資を検討する価値は十分にあると考えています


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