MSワラントは悪魔の資金調達方法なのか?タスキHDの事例と株価への影響考察

日米株
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タスキHDが発表したMSワラントが大炎上している理由

2025.2.24にタスキホールディングスが新株予約権発行による資金調達のIRを出してから、同日夜間のPTSは金曜日終値の814円から150円安のストップ安で張り付いていますっっ。Yahoo掲示板やXも炎上しまくっています。私もタスキHDの現物株を25,000株保有(内NISA2000株)しているので、このニュースについて扱わない訳にはいきません。

発表された直後から私の今後の保有方針は秒で決まったようなものですが、それは最後のまとめに記載するとしてここでは改めて今後も持ち株に突如訪れるかもしれないMSワラントについて勉強して来る時の心構えについて整理しておきたいと思います!

早速MSワラントについて勉強していきましょう。

トム
トム

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まず最初に始めにMSワラント(Moving Strike Warrant)・新株予約権とは、簡単にいえば「あらかじめ決められた期間に、あらかじめ決められた価格(行使価額)で株を買える権利」のことをいいます。

企業が資金調達をする時には①銀行からの借り入れ、②公募増資、ないしはこの③新株予約権(ワラント)が一般的です。

なぜ普通の第三者割当増資ではなくて、新株予約権を選択するのか。まずは新株予約権のイメージです。

新株予約権発行時に企業が発行するのは、あくまでも権利行使価額(上の図では1,000円)で株を買える権利です。このとき、企業に入ってくるのはあくまでも予約権購入代金(いわゆるオプション料)のみです。

以下がMSワラントと公募増資の違いです。我々個人投資家としては新株発行=『1株当たりの価値が希釈化して株が下がるんではないか』と言うリスクに敏感になります。これが一発で来るのが公募増資で、段階的に来るのがMSワラントです。

タスキのIR補足説明資料にもほぼ同じ内容で以下の通り説明があります。

ちなみに掲示板で賑やかな『MSワラントは悪魔の資金調達』と言う点ですが、これはライブドアで一躍有名になった修正条項付き転換社債型新株予約権付社債(MSCB:Moving Strike Convertible Bond)のことで2005年にニッポン放送買収のためにライブドアが発行した800億円のMSCBは、リーマン・ブラザーズ証券が引き受けました。転換価格は株価の90%でした。リーマンは貸株を使った空売りで確実に利益を上げる一方、一般株主は希薄化の不利益を被りました。リーマン社は2カ月程度で全額を株式に転換し、ライブドア株の株式数はMSCB発行前から1.4倍に膨らみました。さらに、株価は条件決定日の2月8日から株式転換を終えた4月15日までに約27%下げていますが、今回のMSワラントとは違います。

これだけでは分かりにくいので実際に今回タスキが発表した内容を次の項目で見ていきましょう。

これが今回タスキが発表したMSワラントの概要です。

はい、整理します!

・使用目的は2033年9月期における売上2000億円を達成するためにすぐに資金が必要。(※通常配当を出しているような企業はワラントをやらないのですが、ここでやってきたという事は緊急で大きな資金が必要と言うことであり、近々非常に大きな事業拡大策のIR発表があると思っています。)

・公募増資よりは株価変動が分散されている。ただし株価が上がった時に下げ圧力が3年にわたって続くのは事実。

・下限価格は340円ではなく、現実的に600円です!! (これはIR担当も言ってましたね)

・配当とプライム昇格スケジュール(2026年9月)は変更なし。配当性向35%の変更や減配などについても触れられていない。

これめっちゃ気になりますね。過去のMSワラント後の株価がどうなったかデータを纏めてみました。

  • 一般的に、MSワラント発行後は株価が下落する傾向にあります。
  • 例えば2018年にMSワラントを発行した83社の分析では:
    • 発行後1ヶ月で株価がプラスに推移した企業は22%。
    • 残りの78%の企業は株価が下落したと推測されます。
  • 具体的な事例:
    • ペッパーフードサービス(3053):2020年1月15日に発行後、3月には400円台まで急落。
    • SHIFT(3697):例外的に成功し、発行期間中に株価が4,435円から13,330円に上昇。
    • 三井E&S(7003):長期的な低迷後、2024年2月頃から上昇し、3月には2,800円台まで回復。
  • 実証分析の結果:
    • MSワラント発行企業は発行後の株価パフォーマンスが悪い傾向にあります。
    • これは「ラスト・リゾート仮説」と一致し、財務状況が悪化した企業が最後の手段としてMSワラントを利用する傾向を示しています。
  • 発行公表後、理論的な希薄化の影響以上に株価が下落するケースもあります(例:希薄化率10%でも株価が30%程度下落)。

ここで注目したいのはSHIFTですが、なぜこの企業はMSワラントを成功させたのでしょうか?

株主への配慮:

交付株式数を固定化し、希薄化率を6.79%と低く抑えました。

行使コントロール権限を持ち、株価変動を考慮しながら行使時期や量をコントロールしました。

資金の有効活用:

調達した資金を元にM&Aなどを実施し、事業と業績を大きく拡大させました。

これらの取り組みにより、SHIFTは株主へのマイナス影響を抑えつつ、調達額を最大化し、企業価値を向上させることに成功しました。その結果、行使可能期間中に株価が4,435円から13,330円へと約3倍に上昇し、その後も29,000円台まで達しています。

タスキHDにMSワラントが与える影響

ここが今回の記事のポイントですが、株価変動予想の前にもう一度数点復習します。

・MSワラントは、特に財務状況が厳しい企業や「ゾンビ企業」が資金調達手段として選ぶことが多いですが、最近では優良企業も利用するケースが増えています。長期的には企業価値向上につながる可能性がありますが、希薄化率や市場からの信頼度にも影響を与えるため、慎重な判断が求められます。タスキは「成長企業」であり、ゾンビ企業なんかではないのは明らかなので今回のMSワラントはよいワラントと信じたい。

・またタスキの最大の株主が村上三郎氏である点です。今回のMSワラントでは野村證券に対して村上氏が貸株を行う予定であり、もし株式価値を損なうものであれば村上氏が承諾しないものと考えられます。昨年8月に従業員持株会奨励金付与率引上げに応募した従業員に対しての誠意もあると感じています。

またROEが変わらないという前提であれば、それだけEPS利益が増加することとなり、EPSはそれぞれ100円、105円となるため、会社予想の92円から大きく増加します。

今回のMSワラントは上限行使価額が設定されていないため、甘い想定とは感じますが、タスキが主張するように、株価が上昇すればするほど調達資金が増加し、その分株主の受ける恩恵が大きくなります。

累進配当を不安視する投稿も見受けられますが、タスキは年率30%の成長を続けており、20%程度の希薄化であれば1年で帳消しにできるため、累進配当となる35円は容易に達成可能と考えられます

また裏を返せば3年間は増資の可能性が小さくなったため、ここからは中期経営計画の成長の果実をしっかりと享受できます。
 

今後の株価変動予想

1/27(月)は大幅下落は避けられないでしょう。S安664円は覚悟。売りたい方はどうぞ。

基本的には681円以下は狼狽売りの水準となります。私は平均購入単価564円なので含み損にはならないと思います. 仮に600円まで下がったらそこの配当率は5.8%ですからね、皆さんこぞって大量に買いを入れてくると思います。600円割れは一瞬信用買いの償却・焼却であるかもしれませんが現物で買っている人は狼狽売りはやめた方がよいと思います。ですので下限は600円、3月末には700円タッチその後はよこよこじわじわ、上がってもワラント行使で劇的には上がらない。4半期の業績発表次第で、今年の年末には配当をしっかり頂きつつ、株価はワラント発表前の814円に戻してくれれば文句なしです!!

ホルダーの皆さんなぜここを買ったのかこの記事を見て思い出しましょう! 私は信じます!

いかがだったでしょうか。

・MSワラントは個人投資家にとってはたしかに評判悪い。

・でも今回のタスキの件は悪魔のワラントと言われるほどの性質はないと考える。

・企業成長のためのドライバーとして資金は必要。過去のSHIFTのように株価に貢献してくれると信じる。

・明日S安もしくは明後日の寄りでここを大量に買った人はおめでとうございます!!!と言う展開を予想。

・株は何が起きるか分からないし、逆逆行くこともあるのでS高とかきたら万歳!

それではホルダーは今後の株価変動に対して冷静に、ノンホルダーは虎視眈々と狙ってください。会社側もこの株主大幅入れ替えを狙って それでも力強く握ってくれる株主に将来利益を、と考えてくれていたら嬉しいです!!

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