はじめに
日本発のAIスタートアップ Sakana AI(サカナAI) は、設立からわずか数年でユニコーン化し、多くの大企業から注目を集めています。非上場ながら、その技術力・ビジネスモデルともに次世代のAI企業として非常に魅力的です。本記事では、Sakana AIとは何か、なぜこれほど注目されているのか、出資企業、将来のIPO(上場)可能性、そして上場した場合に恩恵を受ける企業など、あらゆる角度から深掘りします。
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Sakana AIとは?
- 設立・拠点
Sakana AI(Sakana AI株式会社)は、2023年7月に東京で設立されたAI研究開発企業です。 - 創業メンバー
- CEO:デイビッド・ハ(元Stability AI / Google Brain)
- CTO:ライオン・ジョーンズ(元Google研究者、『Attention Is All You Need』共著者)
- COO:伊藤錬(元外務省、Mercari、Stability AI)
- ミッション / 技術
- “自然界の集合知” をヒントに、複数のAIモデルを交配(「進化的モデルマージ」)させて高性能モデルを生み出す技術を持つ。
- 独自のエージェント型AI「AI Scientist」を開発。これにより、AIが科学研究を自動で進めることを目指す。
- また、継続思考を実現する Continuous Thought Machines や Darwin Gödel Machine といった先端研究にも取り組んでいる。
- 企業ステータス
非上場企業ですが、非常に高い評価を受けており、「日本最速ユニコーン」の一つ。

注目を集める理由
Sakana AIがここまで注目される背景には、技術革新とビジネス戦略が密接に絡み合っています。
(1)進化的アプローチによるAI開発
- 進化的モデルマージ:既存のAIモデル同士を“交配”させ、世代を重ねて性能最適化を図る手法。
- この手法は、大規模な計算資源やデータを持つ企業だけに依存しない “コスパの良い方法論” を提示しており、特に日本企業にとって効率的なAI開発への道を開くものと評価されています。
- また、このアプローチは“持続可能性”にもつながる。Sakana AI創業者のデイビッド・ハは、無制限のコンピューティングを使った従来型AIとは異なり、よりエネルギー効率やコスト効率を追求したモデルを目指すと語っています。
(2)AIによる自動研究(AI Scientist)
- “AI Scientist”は、仮説の生成、実験の計画、結果の解析、論文の執筆までAIが自律で行う仕組みを目指すエージェントAI。
- もしこの技術が実用化されれば、研究開発のコストを劇的に下げて科学のペースを加速させる可能性があります。
- 科学研究の自動化は、製薬、材料、エネルギーなど幅広い産業に応用が可能であり、大企業からの期待も大きい。
(3)国内企業との戦略的パートナーシップ
- 三菱UFJ銀行(MUFG)との包括的パートナーシップを締結。Sakana AIは、銀行特化AIシステムを提供。
- この協業に伴い、Sakana AIの共同創業者である伊藤COOがMUFGのAIアドバイザーに就任。
- 金融業界におけるAIの実装を狙っており、AIを使った銀行業務の効率化や高度化を進める。
(4)自然に学ぶ、持続するAIというコンセプト
- 魚の群れ(“さかな”)のように、個体が協調して知性を発揮する集合知モデルをAIに応用。
- 日本発AIとして、地政学的・社会的な意義も深い。朝日新聞でも、「アメリカ、中国以外でAIの本拠地を東京にする意義」が語られている。
(5)金融・防衛にも果敢に挑戦中
- 同社が得意とする技術群を使って金融、防衛(認知戦)にも果敢に挑戦しています。

Sakana AI
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SAKANA AIへの出資企業(日本・海外)
Sakana AIは設立以来、多くの国内外企業から注資を受けています。
- 国内企業
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)
- 三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ、伊藤忠商事、NEC、NTTなど
- 海外/グローバル投資家
- NVIDIA:AI処理能力の高いGPU企業。Sakana AIの技術への期待から出資。
- Lux Capital など、シリコンバレー系VC
- Khosla Ventures なども参加。
- Santander銀行 スペインの最大手銀行
総額でかなり大きな資金を集めており、シリーズBでは 約200億円調達 の報道もあります。

出資比率が高い企業(NTT / NVIDIA / 三菱UFJ)
特に出資比率が高く、Sakana AIの戦略に深く関わっている主要出資企業について解説します。
(1)三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)
- MUFGはSakana AIと3年の包括的AIパートナー契約を締結。
- 業務プロセスにおけるAIエージェント導入を計画しており、金融のデジタル変革を共同で推進。
- さらに、共同創業者COOの伊藤錬氏がMUFGのAIアドバイザーに就任。
- MUFG側もAI戦略を本格化させたいため、Sakana AIの成功は金融機関にとっても大きな意味があります。
(2)NVIDIA
- 高性能GPUの大手企業として、AI研究・モデル学習を強力にサポート。
- Sakana AIの“進化的モデルマージ”には、多様なモデルを生成/テストするリソースが必要であり、NVIDIAの技術力との親和性が高い。
- さらに、NVIDIAが出資することで、Sakana AIは計算資源と技術支援の両面で強化されている。
(3)その他大手国内出資企業(例:三井住友・みずほ・伊藤忠・NEC)
- これらは資金提供だけでなく、日本国内でのAI導入パートナーとしても重要。
- 複数の業界(金融、通信、重工、流通など)を巻き込むことで、Sakana AIの技術を社会インフラ化させる可能性がある。

今後の上場可能性
Sakana AIは現在 非上場企業 ですが、以下のポイントから今後上場(IPO)する可能性は十分にあると考えられます。
- 高評価かつユニコーン企業:設立から短期間で企業評価額が10億ドル(またはそれに近い水準)を超えたという報道がある。
- 技術競争力の高さ:進化的モデルマージ、AI Scientistなど先進技術を持っており、AI研究+応用で明確な差別化がある。
- 事業パートナーが強力:MUFGとの長期契約、大手企業からの出資など。
- 資金調達力:シリーズBで200億円規模の調達を完了しており、さらなる資金調達ラウンドでも注目される。
- ソブリンAI構想:“国内インフラ内でデータを完結させるAI”というビジョンを掲げており、日本政府・企業からの協業可能性が高い。
ただし、上場までには以下のようなハードルも考えられます:
- 技術実用化と商用化のペース
- 収益モデルの確立:AI研究だけでなく“実業との組み合わせ”が重要
- 上場時の評価次第で、企業価値が変動しやすい
上場した場合に恩恵を受ける企業
もし Sakana AI が将来上場したら、以下の企業が恩恵を受ける可能性があります。
- MUFG 他大手金融機関:AIによる業務効率化・高度化が進む中、Sakana AIとの協業が株価材料になる可能性。
- NVIDIA:Sakana AIのさらなる技術成長が見込まれれば、NVIDIA製GPUの需要増加につながる。
- IT/通信企業(NEC、KDDI 等):Sakana AIの技術を活用した国内AIソリューション展開が加速すれば、これら企業もAI事業の拡張が可能。
- AI関連ベンチャーキャピタル:Sakana AIの上場によってアーリーステージ投資の成功事例が強化され、他のAIスタートアップへの投資も促される。
まとめ
- Sakana AI(サカナAI) は、東京発の革新的AIスタートアップで、集合知モデルや自律研究型AI(AI Scientist)など先端技術に強みがあります。
- 多くの大企業(MUFG、NVIDIA、三井住友など)から出資を受けており、資金力・信頼性ともに非常に高い。
- 今後、上場の可能性は十分高く、IPOによって関係企業、特に金融・半導体・IT企業には大きな恩恵が見込めます。
- 日本発AIの新時代を築く存在であり、将来的なビジネス価値だけでなく、社会インフラとしての意義も非常に重い。
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