OKLO徹底分析 ― スタートアップ原子力の旗手として投資家が注目すべき理由(Open AIも出資)

日米株
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はじめに

米国株市場では、「クリーンエネルギー」「AI」「データセンター電力需要」の高まりが原子力関連株に新たな光を当てています。その中で、特に注目されているのが Oklo, Inc.(OKLO)。小型高速炉(fast reactor)技術を中心に、廃棄核燃料の再利用や、地方・遠隔地・データセンター向けのクリーンで安定した電力供給を目指すスタートアップです。

売上はまだ本格的には立っておらず、商業運転開始予定は2027年以降ですが、株価は2025年に入り数百%上昇しており、投資家の期待が非常に高まっています。SNSやニュースメディアでの話題性も高く、「テンバガー候補」「エネルギー未来銘柄」という見方も少なくありません。

この記事では事業内容、最新のアナリスト評価(ゴールドマン・サックスのカバレッジ開始=中立・目標117ドル)を踏まえ、Okloの業績・将来性、株価急騰の要因、リスク含む展望までを整理し、投資家として「今・買いなのか」を考察します。

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OKLOってどんな会社?(企業情報)

基本情報・設立背景

  • 社名:Oklo, Inc.(OKLO)
  • 設立:2013年
  • 本社所在地:カリフォルニア州サンタクララ
  • 創業者:Jacob DeWitte、Caroline DeWitte(MIT出身)

事業内容

Oklo は次世代の「高速原子炉(fast reactor)」を設計・建設し、Aurora Powerhouse という製品ラインを通じて、15〜50 MWe 程度の出力を持つ小型炉を提供することを目指しています。加えて、核燃料再利用(廃棄物となる核燃料を再加工・再利用する技術)にも取り組んでいます。

Aurora は、「10年間再燃料なしで運転可能」「自己制御型の安全性フィーチャーを備える」「高速中性子炉を活用する」などの特徴があり、アメリカの原子力規制委員会 (NRC) の許可取得が課題ですが、許可を得る努力を継続中です。

Oklo / Aurora Powerhouse起工式の記事(2025.9.22)

経営チーム・資本構成

  • 投資家に Sam Altman(OpenAI CEO などで知られる人物)、Peter Thiel 系など著名ベンチャーキャピタルが参加。
  • 上場形式:SPAC 合併を通じて公開企業化。

規制・認可の現状

  • 最初の Combined License(建設・運転許可)申請は 2022 年に NRC により差し戻されているという事実があります。許可がない状態で商業運転はできず、この点が大きなリスク要因です。
  • ただし DOE(米国エネルギー省)から「Site Use Permit(場所使用許可)」を取得していたり、規制当局との対話を進めていたりする進捗が報じられています。
  • 経営チーム・資本構成:Sam Altman や著名 VC が出資している背景は以前から強調してきましたが、このようなバックグラウンドが、アナリストレポートの発表を呼び込む土壌ともなります。
  • 規制・認可の現状:許認可関連の課題は変わりませんが、カバレッジを始める証券会社が出てきたということは、規制リスクを織り込みつつも、制度面・技術面で“読める可能性”が出てきたと見做されているということです。

業績・将来性

財務の現状

  • 売上はまだ本格的には発生していません。Oklo は現時点では収益を出しておらず、事業開始予定は 2027年あるいは2028年 とされています。
  • 運転資金(キャッシュ・現金等価物)は数億ドル規模を保有しており、短期資金繰りには一定の余力あり。
  • 注目すべきは、赤字でありながら株価の上昇率が非常に高く、2025年に入って 500〜1,500% の上昇を示しているという点です。

成長ドライバー

技術的差別化
Aurora の炉設計は高速炉を採用し、再燃料期間を長くとることなど、安全性・効率性に特徴があります。また、再処理した燃料を使うという取り組みで廃棄物問題にもアプローチしています。
ここに重要な補足として、アナリストレポートを踏まえた将来予測への信任性が高まりつつあることを記載しておきます。

データセンター需要と AI の電力消費拡大
AI ワークロードの増加によりデータセンターの電力需要が急拡大しており、クリーンでベースロードに近い電源として原子力が注目されています。Oklo はこの需要を取り込む契約を一部既に取得しています。例えば Switch(データセンター運営企業)との非拘束の電力供給契約など。

政策の後押し・規制の整備
アメリカでは原子力に対する政策支援が強まっており、原子炉の迅速許可・燃料再利用技術の推進などが政府の優先課題となっています。これが Oklo のビジネスモデルを支える追い風となっています。


なぜ株価が急騰しているのか

Oklo の株価急騰の背景には複数の要因があります。以下に整理します。

要因内容
市場のテーマ性クリーンエネルギー、原子力復興、小型モジュール炉 (SMR)、AIデータセンターの電力供給というトレンドが重なっている。
政府支援と許認可の進展DOE のプロジェクトプログラムへの採用、Site Use Permit 取得、Aurora のライセンス申請など進捗ニュースが株価の期待を高めている。
将来収益の見込みが顕在化2027〜28年の発電開始見込み、データセンター等との電力供給契約。これらが「ただ言われているだけ」から「行動段階」に入ってきているという印象を市場が持ち始めた。
投資家心理・株式モメンタム株価上昇率が高いため FOMO(見逃し恐怖)やモメンタム投資が流入。また、アナリスト評価の改訂、ニュース報道が追い風。

これらが組み合わさって、Oklo の株価は急激に上昇してきています。ただし、「実際の利益が出るか」「許認可が遅れないか」といったリスクも同時に織り込む必要があります。

これらのテーマ性・契約・政策支援などに加えて、アナリスト評価の正式参入が投資家心理をさらに刺激しています。

具体的には、ゴールドマン・サックスが Oklo 株を「中立」評価でカバレッジを開始し、目標株価を117ドルに設定した という報道が出ました。これは現在の株価から約11%の下落余地を示すものでありながら、「適正価値ベースの評価ラインを示した」ことで、株価が評価レンジにあるという認識を市場に与えたと言えるでしょう。

ゴールドマンによれば、Oklo の 独自ビジネスモデル(自社所有・運営型) は運営管理力を高める反面、資本集約性リスクを伴うと警戒されています。また、使用燃料として計画される 高濃縮・低濃縮ウラン(HALEU)技術 は、原子力業界全体におけるボトルネックになり得るという指摘も出ています。

このように、大手金融機関が評価ラインを示すことは、これまでは付き物だった“過度な期待かリスクか分からない”という不透明さをやや和らげる材料になります。ただし、評価が「中立」からスタートしている点には注意が必要で、今後の進捗と評価の変遷を追う価値があります。

さらに、同記事には Oklo が アイダホ国立研究所における Aurora 原子炉の起工式 を進めており、2027年後半~2028年初頭の商業化に向けたプロジェクト進展を報じています。加えて、テネシー州オークリッジに 高濃縮/低濃縮ウラン燃料リサイクル・製造施設 を建設する計画も明らかになっており、将来の燃料供給体制を自前で整える動きが注目されています。

これらの進展は、「単なる技術ショーケース」から「実業スケール化へ向けた布石」への移行を示すものとして、株価上昇の裏付け材料となる可能性が高いです。


今後の株価予想

以下、複数シナリオに基づいた株価見通しを考えてみます。

現時点(2025年中〜後半)でのアナリストの価格目標は、非常にばらつきがあるものの、Bank of America や Wedbush などが「買い(Bullish)」評価を出しており、株価ターゲットを $80〜$150 程度に設定するものもあります。

シナリオ前提条件見通し株価(修正版)
ベースケース規制許可・契約進展 + アナリスト評価の支持現在株価 × 2〜3倍レンジ、ゴールドマン目標117ドルが参照点の一つ
強気ケース許可・実運転予想より早期化、燃料供給自前化、評価マルチプル拡大5〜10倍、アナリストも将来目標を 150ドル 水準に据える予測が複数あるとの報道もあり。
慎重ケース規制遅延、建設コスト増、評価調整現水準~下振れの可能性もあり

ゴールドマンの評価開始は「中立」ラインという慎重スタンスですが、市場に最低限の期待レンジを示したという意味でポジティブ材料と捉えられます。後は、実際のライセンス取得、建設進捗、契約獲得などで評価が上方向に動くかどうかがカギとなるでしょう。


リスクと注意点(追加反映分)

Oklo に投資する際は、以下のリスクを十分理解した上で戦略を立てることが重要です。

  • 評価スタンスの方向転換
     最初は中立評価であっても、業績・プロジェクト進捗次第で評価が引き下げまたは引き上げられるため、アナリスト評価の変化は敏感にチェックすべき。
  • 資本リスク
     ゴールドマンが指摘するように、自社所有・運営型ビジネスモデルは資本集約性が高い。プロジェクトの遅延や追加コストが出た場合、負担が大きくなります。
  • 燃料の技術課題
     HALEU(高濃縮/低濃縮ウラン燃料)の供給および製造体制は原子力業界全体での課題であり、Oklo も例外ではありません。供給不足や価格高騰リスクを抱えます。
  • 許認可の不確実性
     NRC の許可遅れは依然として最大のリスクであり、何年もずれ込む可能性もあるため、想定スケジュール通り進まない可能性を念頭に置く必要があります。

まとめ

Oklo(OKLO)は、テーマ性・技術性のいずれも非常に強い会社です。
今回、ゴールドマン・サックスが中立カバレッジを開始、目標株価117ドルを設定したというニュースは、市場にとって大きな節目といえます。

この評価開始は、Oklo が「話題性の高いテーマ銘柄」から「投資評価され始めた企業」へ少し近づいたことを意味します。ただし、評価が中立スタートという点に注意が必要で、今後のプロジェクト・規制進捗がその評価を変動させるカギとなります。

僕の見立てとしては、Oklo はまだ上昇余地を多く残したテーマ株であり、許認可取得や電力供給契約の発表が続けば 2〜5倍、強気でテンバガー圏 も視野に入ると考えています。しかし慎重なリスク管理と指標ウォッチは必須です。

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