はじめに
2026年11月第2週は、個人投資家にとって非常に重要な1週間になりそうです。
先週の株式市場では、これまで相場を牽引してきたAI・半導体関連銘柄が一斉に急落。特に11月6日(金)の日本市場は、日経平均株価が前日比3,643円安(-5.96%)という歴史的な暴落となりました。
米国市場でもフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が12%超の急落。AI・半導体関連株を中心に、これまで積み上がっていた利益確定売りや信用取引の投げ売りが広がりました。
これまでAI・半導体関連株を中心に資金が集中していただけに、今回の急落は投資家心理にも大きな影響を与えています。
しかし、こうした相場環境だからこそ、新しい投資チャンスが生まれる可能性があります。
今回は、11月9日(月)から13日(金)までに決算発表を予定している企業の中から、今後の成長性や株価の反発余地を考慮して注目銘柄を10社選びました。
AI・半導体関連だけでなく、エネルギー、防衛、金融、消費関連など幅広い分野から選んでいます。
決算シーズン後半戦、次のテンバガー候補を探すヒントになれば幸いです!

1. 先週のAI・半導体株暴落をどう考える?
まずは、今回の相場急落を整理しておきましょう。
11月5日の米国市場では、AI・半導体関連株を中心に大幅な売りが発生しました。
背景には、米中間選挙での民主党躍進を受け、今後のAI開発やデータセンター建設に対する規制が強まるのではないかという警戒感があります。
これまで市場では、AI関連企業の設備投資拡大を前提とした強気の成長シナリオが織り込まれていました。
しかし、データセンターの建設には膨大な電力が必要です。
電力供給や環境規制、巨額の設備投資に対する懸念が強まれば、AI関連企業の成長期待にも影響が及びます。
そして11月6日、日本市場にもその影響が直撃しました。
- 日経平均株価:57,434.77円
- 前日比:-3,643.13円
- 下落率:-5.96%
- 東証プライム値下がり銘柄:1,523銘柄
半導体関連株だけでなく、幅広い銘柄が売られる全面安の展開でした。
ただし、ここで考えておきたいのは、AIの成長そのものが終わったわけではないということです。
AIの普及には半導体だけでなく、光通信、電力設備、蓄電池、冷却設備など、さまざまなインフラが必要になります。
今回の調整をきっかけに、AI関連の中でも本当に業績を伸ばせる企業と、期待先行で買われていた企業の選別が進む可能性があります。
また、AI関連以外の成長株にも資金が向かう展開を期待したいところです。
2. 11月9日~13日の決算発表注目銘柄10選
今回選んだ10銘柄はこちらです。
| 発表日 | 銘柄名 | コード | 注目テーマ |
|---|---|---|---|
| 11月9日 | JX金属 | 5016 | 半導体材料 |
| 11月9日 | 古河電気工業 | 5801 | 光通信・データセンター |
| 11月9日 | オリックス | 8591 | 金融・事業投資 |
| 11月10日 | 川崎重工業 | 7012 | 防衛・航空宇宙 |
| 11月12日 | INPEX | 1605 | エネルギー・資源 |
| 11月12日 | PowerX | 485A | 蓄電池・電力インフラ |
| 11月12日 | パン・パシフィックHD | 7532 | 小売・インバウンド |
| 11月13日 | 荏原製作所 | 6361 | 半導体・産業設備 |
| 11月13日 | アシックス | 7936 | スポーツ・グローバル消費 |
| 11月13日 | 三菱UFJ FG | 8306 | 金融・金利上昇 |
※発表予定日は変更される場合があります。投資前には各社IRで最新情報をご確認ください。
それでは、各銘柄の注目ポイントを見ていきましょう。
3. 個別注目銘柄の考察
① JX金属(5016)
半導体材料の成長力に注目!
- 決算発表:11月9日
- 証券コード:5016
- 注目テーマ:半導体材料・AI関連
JX金属は、半導体製造に欠かせない高機能材料を手掛ける企業です。
特に注目したいのが、半導体の配線形成などに使用されるスパッタリングターゲットです。
AI半導体の高性能化が進むほど、高品質な半導体材料への需要も高まる可能性があります。
今回の決算では、以下の点に注目したいと思います。
- 半導体材料の販売数量と売上成長
- 営業利益率の改善
- 高付加価値製品の需要動向
- 通期業績予想の上方修正の可能性
ただし、先週の半導体株急落の影響には注意が必要です。
好決算であっても、半導体セクター全体のバリュエーション調整が続けば株価が下落する可能性があります。
業績と株価のギャップが生まれるかどうか、注目しています。
② 古河電気工業(5801)
AIデータセンターを支える光通信インフラ!
- 決算発表:11月9日
- 証券コード:5801
- 注目テーマ:光ファイバー・データセンター
AI関連で半導体以外の成長テーマを探すなら、古河電工にも注目したいところです。
AIデータセンターでは、大量のデータを高速で処理するための光通信インフラが欠かせません。
古河電工は光ファイバーや光通信関連製品を手掛けており、データセンター投資拡大の恩恵が期待される企業です。
今回の決算では、
- 光通信関連の売上成長
- データセンター向け製品の需要
- 受注状況と利益率
- 通期業績予想の修正
などを確認したいと思います。
半導体製造装置とは違った角度からAI需要を取り込める企業として注目しています。
もっとも、AI関連株として市場から評価されているため、今回の調整局面では株価の値動きに注意が必要です。
③ オリックス(8591)
幅広い事業ポートフォリオを持つ金融・投資企業!
- 決算発表:11月9日
- 証券コード:8591
- 注目テーマ:金融・リース・事業投資
オリックスは、金融、リース、不動産、事業投資など幅広い事業を展開する企業です。
AI・半導体関連株が大きく売られる局面では、こうした異なる収益構造を持つ企業にも注目したいところです。
今回の決算では、
- 金融事業の収益動向
- 海外事業の成長
- 投資事業の利益
- 配当や自社株買いなどの株主還元
を確認したいと思います。
爆発的な成長を狙う銘柄というより、収益基盤と株主還元を評価したい企業です。
④ 川崎重工業(7012)
防衛・航空宇宙関連の成長力に期待!
- 決算発表:11月10日
- 証券コード:7012
- 注目テーマ:防衛・航空宇宙・エネルギー
防衛関連銘柄として注目される川崎重工業。
日本の防衛力強化に加え、航空宇宙、エネルギー関連など幅広い事業を展開しています。
AI・半導体関連から資金が移動する場合、防衛関連は引き続き注目されるテーマの一つです。
今回の決算で確認したいのは、
- 防衛関連の受注動向
- 航空エンジン事業の採算改善
- 受注残高の積み上がり
- 通期業績予想の進捗
です。
特に防衛関連は、受注から売上計上まで時間がかかる事業も多いため、単純な四半期利益だけでなく受注残高にも注目したいと思います。
⑤ INPEX(1605)
エネルギー価格と高いキャッシュ創出力に注目!
- 決算発表:11月12日
- 証券コード:1605
- 注目テーマ:原油・天然ガス・エネルギー
今回の10銘柄の中でも、特に注目しているのがINPEXです。
原油や天然ガスの開発・生産を手掛ける日本を代表するエネルギー企業です。
AI・データセンターの普及には膨大な電力が必要になります。
世界的なエネルギー需要の拡大という観点からも、中長期的に注目したい企業です。
今回の決算では、
- 原油・天然ガス価格の動向
- LNG事業の収益
- 営業キャッシュフロー
- 通期業績予想
- 配当・自社株買いなどの株主還元
を確認したいと思います。
資源価格の変動というリスクはありますが、安定したキャッシュ創出力と株主還元は魅力です。
AI半導体株の調整局面で、資源株への資金移動が起きるかにも注目しています。
⑥ PowerX(485A)
AI時代の電力不足を解決する蓄電池関連株!
- 決算発表:11月12日
- 証券コード:485A
- 注目テーマ:蓄電池・電力インフラ
個人的に非常に興味を持っている成長テーマが蓄電池です。
AIデータセンターの建設が進むほど、電力需要は拡大します。
しかし、発電設備を増やすだけでは電力需要の変動に対応できません。
そこで重要になるのが、大容量蓄電池による電力の調整機能です。
PowerXは大型蓄電システムの開発・製造・販売などを手掛ける企業です。
今回の決算では、
- 大型蓄電池の受注状況
- 製品の出荷・納入実績
- 生産能力の拡大
- 売上総利益率の改善
- 資金調達とキャッシュフロー
を確認したいと思います。
特に成長企業の場合、売上高の拡大だけでなく、売上が利益につながる段階に入っているかが重要です。
なお、成長期待が大きい一方で、先行投資や資金繰り、利益率には注意が必要です。
AI関連株の急落を受けて電力インフラ関連にも資金が向かうのか、注目しています。
⑦ パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)
ドン・キホーテの成長はまだ続くのか?
- 決算発表:11月12日
- 証券コード:7532
- 注目テーマ:小売・インバウンド・海外展開
ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルHD。
訪日外国人需要の回復や海外店舗の拡大など、成長材料が豊富な企業です。
今回の決算では、
- 国内既存店売上高
- インバウンド消費の動向
- 海外店舗の売上成長
- 営業利益率
- 通期業績予想
に注目しています。
AI・半導体関連株とは異なる消費関連の成長株として、今回の相場で資金が向かうかどうかも見どころです。
⑧ 荏原製作所(6361)
半導体製造と産業インフラの両面から成長を狙う!
- 決算発表:11月13日
- 証券コード:6361
- 注目テーマ:半導体製造装置・ポンプ・産業設備
荏原製作所は、ポンプや冷却・環境関連設備、精密・電子事業などを展開する企業です。
半導体分野では製造工程に必要な真空ポンプなどを手掛けています。
AI半導体の設備投資が続くなら、中長期的には恩恵を受ける可能性があります。
今回の決算では、
- 精密・電子事業の受注動向
- 半導体関連設備の需要
- ポンプ事業の収益性
- 営業利益率の改善
- 通期業績予想
を確認したいと思います。
半導体関連株の調整が一時的なものなのか、それとも設備投資サイクルの転換なのかを判断するうえでも注目したい企業です。
⑨ アシックス(7936)
世界で成長する日本発のスポーツブランド!
- 決算発表:11月13日
- 証券コード:7936
- 注目テーマ:スポーツ・グローバル消費
今回の10銘柄の中で、AI・半導体とは違った成長力に期待したいのがアシックスです。
国内だけでなく、欧米を中心とした海外市場でもブランド力を高めています。
ランニングシューズを中心に、世界的なスポーツ需要を取り込んでいる企業です。
今回の決算では、
- 欧米市場の売上成長
- ランニングシューズの販売動向
- 地域別の収益性
- 粗利益率・営業利益率
- 通期業績予想の上方修正
を確認したいと思います。
特に海外売上の成長が続いているかどうかは重要です。
AI関連株に集中していた資金が、世界的に成長している消費・ブランド企業に向かう展開になれば面白い存在です。
⑩ 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
金利上昇の恩恵を受ける国内最大級の金融グループ!
- 決算発表:11月13日
- 証券コード:8306
- 注目テーマ:銀行・金利上昇・株主還元
最後は日本を代表するメガバンク、三菱UFJフィナンシャル・グループです。
日本の金利環境が変化する中、銀行株は引き続き注目したいセクターです。
金利上昇は銀行の貸出金利や運用収益に影響するため、収益改善につながる可能性があります。
今回の決算では、
- 国内金利上昇による利ざや改善
- 国内外の貸出残高
- 海外事業の収益
- 信用コスト
- 配当・自社株買い
などを確認したいと思います。
AI関連株のような急成長期待とは異なりますが、金融株としての安定した収益力と株主還元に注目です。
4. 今週の決算注目銘柄、私が特に期待する3社!
今回の10銘柄の中から、個人的に特に注目している3社を選びました。
| 順位 | 銘柄 | 注目する理由 |
|---|---|---|
| 1位 | INPEX | エネルギー需要・キャッシュ創出力・株主還元 |
| 2位 | アシックス | 世界市場での成長力・ブランド力 |
| 3位 | PowerX | AI時代の電力インフラ・蓄電池需要 |
今回の相場では、AI・半導体関連株の急落によって投資家の資金がどこに向かうのかが重要なポイントになると考えています。
INPEXは資源・エネルギー、アシックスはグローバル消費、PowerXは電力インフラ。
それぞれ異なる成長テーマを持っています。
特にPowerXは、AI時代の電力問題という長期的な成長テーマを持っており、今後の業績拡大に期待したい企業です。
ただし、3社とも決算内容や市場環境によって株価が大きく変動する可能性があるため、発表後の値動きも慎重に確認したいと思います。
5. まとめ:AI半導体株の暴落は新たな投資チャンスになるか?
11月6日の日本株市場は、AI・半導体関連株を中心に歴史的な急落となりました。
これまで相場を牽引してきた成長株にとっては、厳しい局面です。
しかし、株式投資では相場の主役が永遠に同じとは限りません。
半導体、データセンター、光通信、電力インフラ、蓄電池、防衛、金融、消費。
資金が循環する中で、新しい成長企業が評価されるタイミングは必ずやってきます。
今回の決算発表では、単純に好決算かどうかだけでなく、次のポイントを重視したいと思います。
- 売上高・営業利益が前年同期比で成長しているか
- 通期業績予想に対する進捗率は順調か
- 上方修正や増配の可能性はあるか
- 来期以降も成長が続く見通しがあるか
- 決算発表後の株価が業績を正しく評価するか
特に今回のような急落相場では、好決算でも株価が下落することがあります。
逆に、業績に対して株価が大きく売られている企業には、魅力的な投資機会が生まれるかもしれません。
私たち個人投資家にとって大切なのは、相場の雰囲気に流されず、企業の本当の成長力を見極めることです。
今週も決算発表をしっかりチェックして、次のテンバガー候補を探していきましょう!
それでは、また!
投資を、もっと身近に、もっと楽しく。
とむぶろ・トム
※本記事は個人的な調査・考察に基づくものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。




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